私立校の学費でまさかの家一軒分の借金とは…
まさか50歳を目の前に、自分が多額の借金を抱えることになろうとは、想像もしていなかったです。
ギャンブルに明け暮れたわけでもなく、酒や女性に投資したわけでもない…。
それは、娘の大学入学がきっかけでした。
私立大学の薬学部に入学することになってしまったのです。しかも…、
娘の成長に目を細めていたのですが
思い起こせば、それは極端な話、娘が幼稚園時代から端を発しているといっても過言ではありません。
娘が、小さいうちは一緒に勉強したりして、楽しく過ごせていましたが、だんだんわからない問題が出てくると嫌がるときも出てきました。
そんな時、いつも我々親のセリフは一緒でした。
「そんなことじゃ将来夢をかなえられないよ!」、「一緒に夢をかなえようね」などと言っては、ぐずる娘を励まし続けてきました。
ましてや、小学校高学年にもなると、なかなか親もグッと詰まってしまうような難しい問題が出てくるようになりました。
娘は、眠い目をこすりながら、頑張って勉強するんだ!といって頑張ってくれました。
そんな姿を見て我々夫婦もニコニコしておりました。
これが、将来とんでもない謝金地獄をもたらすとは、知る由もなかったのです。
中学に入って進路を考えだした娘
中学校に挙がってからは、娘は陸上部に入部し、一生懸命頑張っていました。
遅く帰ってきては、玄関でバタンキューなんてこともたくさんありましたが、何とか勉強も学年10番以内には入ってくれていました。
結局、何だかんだいって頑張る子だなーって密かな自慢でもありました。
折しも、私の自営業も少しづつ軌道に乗ってきて、少しづつ安定してきていました。
思い切って2号店を出店することができました。
そのころ、中学3年生くらいでしょうか…娘が薬学部に行きたい!と言い出しました。
その時は、おー!ようやく夢が決まったかと夫婦ともども大喜びでした。
しかもそれが医療系となれば、もろ手を挙げて賛成でした。
しかも、医学部ほどは難しくないであろうし、なんとかなるだろう!頑張るんだぞ!と楽しい家庭の典型のような形になっておりました。
高校入試は、この地区一番の公立高校進学校を受験したのですが、何と不合格…いつも通りの調子なら絶対合格と言われていたのに…とにかく緊張したとのこと、とりあえず受験しておいた私立高校の解く新コースに合格していたので、そちらに行くことになりました。
最初は失意の元、私立の特進コースに通っていたのですが、意外に先生たちの指導も手厚く、楽しい楽しいと学校には通ってくれていました。
模試での成績もそこそこ取れていて、国立大学薬学部もB判定が出るほど調子が良かったのです。
私も、安心していました。
もちろん国立大学薬学部が、そんなに簡単に入れるとは思ってもいませんでしたし、狭き門であることも十分認識しておりました。
そして、迎えた入試本番!また極度の緊張で迎えた当日の朝、極端なけりに悩まされたまま、受験会場へ…高校入試の思い出が一瞬頭をよぎりましたが…
案の定不合格でした…まさに青天の霹靂とはこのことでした。
しかも本人は、浪人したくないとの一点張りで、滑り止めで受験していた私立大学薬学部に入学することになりました。
「私立」の負担の大きさ、さらに娘の体に異変が
そこは、入学金200万円、年間200万円の学費でしたので、初年度400万円、6年間で1400万円かかり、しかも学校の勉強が忙しくアルバイトもいけないという話を聞き、結局家賃56,000円を私が負担することになりました。
共益費込みで月6万円の家賃×12か月分×6年間…=約700万円となり、結局2100万円の負担がのしかかってきました。
しかも、そこでは中での競争も激しく、精神的に追い込まれた娘は、6年生の最終試験に落ち、留年が確定し、もう一年と言われました。
その時点、貯金などは底をつき、奨学金は、国民金融公庫・銀行から満額借り入れており、一円も借金できない状況になっており、心底困ってしまっていたのですが、加入していた生命保険を解約し、何とか資金を捻出しました。
何とか、学費を納入したのですが…その時学校から連絡があり、娘が学校に来ていないとのことでした。
アパートの方へも、携帯電話にも連絡がつかず、慌ててアパートに行ってみると、布団にくるまって一切出てこようとしない娘…
なんと、うつ病にかかってしまっていました。
病院からも入院を勧められ…現在も入院しています。
子を持つ全ての親に言いたい
その結果、およそ1500万円の借金が残っただけでした。
ここ田舎では一軒の家が土地付きで買える金額です。
私たち夫婦は、こんなことになるために、娘に勉強させてきたわけではありません。
こんなことになるために苦しい勉強をさせたわけではありません。
これから、子育てをする若いお父さん、お母さんに、これだけは言っておきたい。
「むやみやたら、勉強しなさい!とはいうものではないよ!」
本人の夢をかなえてあげるというのは、非常に美しく聞こえますが、危険性をはらんでいるのですよ!と伝えたいです。
子どもが「ただいまー」って笑って帰ってきてくれるだけで幸せなんですよと伝えたい。
高い塾代を払ってまで無理やり勉強させるリスクというのもあるということです。